息子が3人もいると、それぞれにパソコンが必要である。
何しろ全員理系まっしぐらのため、今どき与えない訳にもいかない。
子育てでこれでもかとお金がかかる大学生などに仕送る親にとって、四半世紀前なら無かったパソコン代・ネット代・携帯電話など負担は増える一方である。
(最もお金が掛かる家庭に子育て手当てが無いのは何だか腑に落ちない・・・
と言うより、今年から半額実施されるこの子育て手当ては、少子化対策なのか、景気対策なのか、子育て支援なのかさっぱりよく分からない・・・
しかも我が家は三男が高2で対象外である!)
高校・大学と進むと、一人の息子に対して最初に1台、途中で買い替え1台と、計2台は必要になる。
そんな事を3人の息子たちにしていると私のパソコンは必然的に後回しになってしまう。
(長男・次男がやっと就職してくれたが、我が家にはかつて使われた古いパソコンが数台転がっている。まとめてリサイクルに出すとその費用で格安パソコンが買えるくらいかかるかもしれない・・・)
最近、私のパソコンは時々ハードディスクが突然カリカリと回りだすと、使用中のソフトがフリーズ状態で入力不能に陥る。
購入時には、電源を入れて30秒程で立ち上がっていたが、今ではカップラーメンが十分出来上がる時間を要する。
何しろ気がつけば私のパソコンは7年目を迎えようとしているのである。
呑み会で隣に座った知り合いのパソコン屋さんに「ウィルスソフトの仕業だろうか?」と尋ねると、「それもあるけどスペックが現在では低すぎる」と言うことで、思い切ってパソコンを組んでもらう事になった。
(正に呑んだ勢いである)
頼んだ条件は、ワイド画面で文書が2枚並べられる液晶モニター。軽いウィルスソフト。簡単なバックアップ機能。
最新のウィンドウズ7では動作しそうもないソフトも多く使っているので、XPを入れてもらい、ウィンドウズ7にいつ変更してもゆとりを持って動く仕様・・・
以上で予算10万円でお願いした。
(CPUが何だの、メモリーがどうだのは指定無しである。
私は最近のものがさっぱり分からないだけであるが・・・)
それから数日後、組み上がったパソコンが届いた。
液晶モニターはフルハイビジョン使用の22インチワイド画面である。
目の前に置くと、とにかくゆったり幅である。
試しにワードの文書を横に2枚並べてみる。A4実寸幅で2枚並べてもまだ余白がある。
しかしである。大きな問題が分かった。
タテ1080×ヨコ1920ドットという今まで使っていた17インチモニターの2.6倍の解像度があるこのモニターでそのまま表示すると、私の老眼では字が小さすぎて全く使用に耐えられないのである。
仕方が無いので、ウィンドウズの画面の設定で文字を135%に拡大設定をして事無きを得る。
ちなみに、この設定を触らないで、私が使用に耐える大きさで表示しようとすると、22インチ×1.35倍で約30インチのモニターが必要という計算になる。
(と言うよりメガネを替える方が現実的ではある。それよりもそんなモニターは私のデスクに載らないのである)
さて、ハードディスクは案外簡単に壊れるものだ。
しかも予兆無く突然壊れてしまう事も少なくない。
私も過去に経験がある。
8ヶ月分の業務データが無くなって痛い目に合った事があるのだ。
(物理的に壊れたハードディスクのデータ復旧を専門業者に依頼すると立派なパソコンが買える位かかると言われあっさりと諦めた経過がある)
つまり何よりも必要なのは小まめなバックアップである。
が、何よりも忘れてしまうのもバックアップでもある。
その原因は、”面倒臭い”の一言に尽きるのである。
(何しろ私の口癖の一つが”面倒臭い”である。もう一つが”止めよう”である。
これを合わせると”面倒臭いから止めよう”となり、究極の表現となる。
「労力・費用に対して、総じて効果が少ない行為は、根幹的部分から見直すためにも、臆する事なく一度原点に立ち返る事」を分かりやすく表現した言葉である)
そこで今度のパソコンにはハードディスクを2台搭載してもらい、バックアップソフトが自動的に正規ドライブから裏ドライブにバックアップを取ってくれる。
ウィンドウズもソフトもそのままそっくりコピーしているので、正規ドライブに異常が出たら、何もなかったかのように裏ドライブから起動出来る優れものである。
先の通り、意外と簡単に壊れるハードディスクではあるが、2台同時に壊れる確立は限りなくゼロとなるのである。
火事・地震・水没などによる本体ごとの損傷はこの限りではないが、そこまで心配をされる方は、USBメモリーなどにバックアップファイルを移して日々持ち歩く事をお奨めする。
(このUSBメモリーを無くす可能性の方が、何万倍も高いと思われるが・・・)
さて、今まで使っていたパソコンのハードディスクは60ギガバイトであったが、今回のハードディスクは1テラバイト(つまり1000ギガバイト)である。
そんな容量は全く不要だが、今や標準的らしい。
(しかもそれが2台入っている)
さっそくであるが、前のパソコンから新しいパソコンに移すためのデータを整理をした。
不要なデータも多数あり、どんどん削除していくと、ワード・エクセル文書とHTML文書など軽いデータが主のため、何と4ギガバイトのUSBメモリーにぴったりと収まったしまった。
(全データが4ギガイバイトなのに、このパソコンのメインメモリが2ギガバイトもある。
更に7年分の4ギガバイトのデータが、もう一つのハードディスクにバックアップされる時間はわずか1分程である。
何だか良く分からない世界になってきたのである)
つまり1000ギガバイトに4ギガバイトのデータを移した訳で、殆どスカスカのハードディスクである。
例えると、1000台入る駐車場に4台駐車したような状況である。
全容量の1000ギガバイトを5メガバイトのデジカメ画像で埋めようとすると、写真が20万枚も必要になるのである。
(そんなに入れたら、下手をすると目当ての写真の発掘すら出来なくなる可能性もある・・・)
7年間で残った必要データが4ギガバイトの現実をかんがみると、私のハードディスクが満杯になる可能性はゼロである。
こんな容量を本当に必要な人は、どれ程いるのだろうか?
しかしながら、ハードディスクメーカーは価格を維持し続けようと思うと、好むと好まざるとにかかわらず日夜の技術革新で容量アップを進めて行くのである。
7年前、ギガの単位が現在1000倍のテラの単位になってしまった。
あと10年もしない内に、更に1000倍の単位になっている可能性もある。
”テラ”の次の単位はギリシャ語で”ペタ”と決まっているそうである。
私は”ジンジャ”が良いと思ったが・・・