安倍総理があっけなく辞任してしまった。
体調不良が主因という説や、辞任せざるをえない爆弾的問題を水面下で突きつけられていたのかもしれないという推測話まで出てくるが、原因は何であれ、何とも最悪のタイミングでの辞任という感想は、誰もが一致する所である。
まさに壊れてしまった感である。身体も壊していたようで入院をしてしまった。
「もうどうでもいいや!」って投げ出したっていう所が一番当たっているのかもしれない。
人間誰しもそういう気分になる事は時にはある。しかし総理大臣にやってもらうのは、かなり困るのである。
しかも「小沢代表が会ってくれない」という理由など、お子ちゃまと批判されても仕方ない。
52歳の首相は「やはり若すぎた」という分析も少なく無いが、イギリスのジョン・メージャー元首相の就任時の年齢は47歳、トニー・ブレア前首相は44歳であった。
カミさんが合衆国大統領になるかもしれないビル・クリントンも46歳で大統領になっている。
あのジョン・F・ケネディーに至っては43歳で就任している。
つまり若さのせいにだけにするのでは、説明がつかないのである。
ちなみに私は47歳で士別市議会議員である。(比べた所でどうしようもないが・・・)
衆議院議員経験13年で首相、閣僚経験は官房長官のみという政治家としての経験不足が原因という分析も多い。
政治家ファミリーの中で生まれ育ち、28歳の時から、父親である故安倍晋太郎の秘書官の形で政治の世界に入り約25年四半世紀、これで経験不足なのだろうか?
そんな事を言ったら東国原知事なんてどうするんだろう。
政治家歴ゼロで宮城県を背負う知事である。たけし軍団などでハチャメチャにやってきた経験などのが、結果的に人間の幅を広げて良かったのかもしれない。
とにかく圧倒的支持率で、さすがのマスコミも、あるであろう過去のオネエちゃん問題なども封印する凄さである。
そういう意味では安倍総理には、政界内での日常生活がほとんどで、人間的経験の幅が広がらなかったのかもしれない。
人間、生き方の幅が狭いと打たれ弱いものである。
その点、私などふとん屋をやり、議員や自治会長やまちづくり団体の会長などなどやらせていただきながら、夜は飲み屋街をうろつく・・・
こうやって人間の幅を広げているなどと、世間の奥様族に言おうものなら、「好きでやってんでしょ!」の一言で玉砕されるに違いないが。
世界的には強力な側近で支えられる首脳が少なく無いが、不祥事でコロコロと閣僚が辞任交代する異常事態の中で、まともに首相をサポートできる閣僚や党の役員が殆どいなかったというのが大きな原因かもしれない。
議員内閣制を取り、衆議院の解散総選挙がしばしば行われる日本では、どこが政権を取っても、首相・閣僚の在籍日数は諸外国に比べて著しく短い。
これで一番喜んでいるのは、霞ヶ関の官僚だけに違いない。
平成に入ってから19年、安倍総理まで日本の首相は11人だそうである。
全部言えるだろうか?
(私は自信を持って言えない)
憲法論議はとかく9条に偏るが、安倍さんにより憲法改正の手続法を通した事でもあるから、この際大統領制や首相公選制や参議院のあり方や必要性も含めて、もっと大きく考えるのも良いかもしれない。
と言っても、政界は混沌として、しばらくはそれどころじゃないが・・・
********************************
昨年の6月のコラムに書いたが、当時既に調子の悪かった茶の間のテレビ。
その直後、街の電器屋さんに診てもらった。「たぶんここだろう」と半田コテ片手に直して頂いた。
基盤ごとそっくり取り替えるのが修理となってしまった現在、部品一つの不良を見つけて修理する腕をもっている電器屋さんは、もはや無形文化財的存在かもしれない。
見事にテレビは復活し、「あと3年位もってくれれば」と調子をこいて言うと、「それは無理でしょう」と言われて14ヶ月・・・
ついに先月そのテレビはお亡くなりになった。
7、8年は使っただろと思っていたが、テレビ裏面の製造年月シールを見ると何と11年目であった。
これで文句を言う人はいない。メーカーの保証期間が法律により購入後1年間ではあるが、3年くらいで壊れたら大きな苦情となる。
しかし20年も使われたら新品が売れなくなる。
私は、10年前後でちょうど良く壊れるように日夜研究をしている技術者がひそかにいるに違いないと思うのである。
そこでテレビを買い換える事となったのだが、当然ながら今では薄型テレビとなるのである。
その壊れたテレビは、当時既に売られていたワイド画面テレビではない。
ワイド画面放送なんて殆どなかった当時、横にのばして見て何がいいのか理解出来なかったからである。
キュートなおねいちゃんが画面の中央から端に移動するとメタボねえちゃんになって何が良いのだろうか。
そんな訳で、私は通常放送のタテ・ヨコ比3対4のノーマルブラウン管の29インチテレビに買い換えた。
実はこの壊れた29インチテレビは2代目である。それには訳がある。
約20年程前、日曜大工で茶の間に幅が180cm、高さも180cmの壁面棚を自作した。
そこには29インチテレビをはじめ、オーディオ機器などの収納部分や本棚などに区切られておりいまだに使用している。
正確には現在も未完成品である。
厚さ19ミリの重たいシナ合板で作り、表面に着色ニスを塗ったのであるが、光沢が足りず、上から仕上げニスを塗る手前で作業が止まっている。
その内!と思いながら20年が過ぎた訳である。
私にとって、”その内”とはいったどのくらいの時間なのであろう。
つまり29インチテレビにピッタリ合わせて作ったため、2台目のテレビも当然同サイズとなったのである。
20年前にはワイドテレビが出てくるとか、この自作棚を20年以上も使うなどという予見をしていなかったので、この収納部分は完全固定式の厚さ19ミリの板で囲まれている。
そこで今回購入したのは32インチ液晶テレビである。
困った事に高さは収まるが、幅が広くてテレビ収納部分に入らない事になった。
もっと小さいテレビを買えば良いだけだが、電器屋さんは最低32インチ!と言うからそうしてしまったのである。
そこで考えられる方法が三つある。
@テレビの幅を切る
A収納棚を捨てる
Bテレビ収納部の隣にある本棚部分を潰して仕切り部分を切り落とし、テレビ収納部分を広げる。
@では、テレビは棚に収まるが何も映らなくなる事が布団屋でも容易に想像が出来た。
Aは中味を全部出して、くそ重たいこの収納棚を大型ゴミとして搬出する・・・
考えただけで疲れる。
何しろこの収納BOXは現在も未完成品なのである。
結局の所、Bの方法となった。
しかしこのクソ厚く硬い板を手鋸で一部をコの字型に切り落とすには、恐ろしく大変な力作業となるのである。
そこで、文明の利器を使わない手はないのである。我家には何故かプロ仕様の強力電動丸ノコがあったのである。
文明の利器とは凄いものである。
わずか2,3分で見事に切り落とす事に成功したのであった。
しかしである。切り終わった後、周りの異変に気づいたのである。
何の下準備もせず茶の間にあるこの棚を強力電動丸ノコで切ると、そこらじゅうがオガクズで真っ白になると言う事が分かったのである。
カミさんには悲鳴を上げられたが、まずは無事収納可能となったのであるから良しとせねば・・・
これであと20年はこの棚は使えるに違いない。(その間に完成するだろうか?)
********************************
総理大臣の辞任話と我家のテレビの話を並べるなど不謹慎と言われるかもしれないが、家族にとってはテレビが壊れたほうが重要な問題なのである。