人間には他の動物と異なり、常々多くの”選択”をしていかなければならない場面がやってくる。
その殆どは、将来に影響するようなものではない。
例えば食堂に行って、カツ丼と天丼で迷ったあげくカツ丼を注文したら、隣のテーブルに来た天丼を見て「天丼にしておけば良かった!」なんて事はザラにある。
この程度の事が、将来に禍根を残すような事にはならない。
(私の場合、三次会あたりでウィスキーの水割りとロックで迷ったあげく、ロックを選んだばっかりに翌日に”二日酔い”という禍根を残す事が、少なからずある・・・ 全く学習効果が無い!?)
しかしながら、人間は時に、重要な選択をしなければならない時がやってくる。
その選択は大きく将来に影響するのである。
その選択肢は2つの場合もあれば複数の場合もある。
今、人間が置かれた環境自体、大きな選択の積み重ねの結果で現在に至っている事が、他の動物と大きく異なる点である。
幸・不幸は別にして、国家・政治・戦争・産業・教育から日常の慣習まで、人間が選んできた重要な選択の結果が現在をもたらしており、現在しなければならない重要な選択が、未来に大きく影響するのである。
(先日、検診に行ったら、またまたコレステロール値が上昇!尿酸値も引っかかってしまった・・・
これも毎日毎日迷ったあげく?に午前様になる選択を繰り返した至極当然の結果である。
・・・将来は虚血性疾患&通風!?)
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北海道夕張市が財政再建団体となる。
会社で言えば倒産した事と同じである。
会社が倒産すると、そのまま破産・廃業する場合が殆どである。
存続価値の高い会社やあまりにも社会に影響が大きい会社などの経営が立ち行かなくなった場合は、破産・廃業を選ばず、会社更生法や民事再生法により、多くの債権が帳消しにされ、会社の建て直しが行われる。
それには当然多くのリストラ策が前程となるが・・・
(私も取引先が倒産して債権者会議なるものに顔を出した経験がある。売掛債権を放棄して、いくらか残っているそれぞれの自社納入品の残品を引き上げる事で決着した。
その元社長はその後、自宅を新築して、ご夫婦で悠々自適の生活をしてていると伝え聞いた。
こういうのを計画倒産と言う!
・・・と言っている場合だろうか!?)
さて、都道府県や市町村が倒産状況に陥ったからといって、やめる訳にはいかない。
(仮に、わがまちは破産しましたので、明日から行政サービスを停止します!と言われたら大変である。水道は止まり、朝一番のトイレでのお父さんの産物が流れなくなったら・・・
なんて程度の影響ではすまない)
したがって地方自治体が破産状態になると、国の強力な介入により再建を目指すのが「地方財政再建促進特別措置法」であり、該当自治体はいわゆる財政再建団体に指定される。
財政再建団体に地方自治体が指定されたからといって、債務を帳消しにはしてくれない。
(いっその事、計画倒産でも出来たなら・・・
と夕張市長なら考えたかもしれない!?)
財政再建団体になると、国の指導・監督のもとで、「財政再建計画」を策定し歳入・歳出の両面にわたって厳しい見直しが求められ、自治体として主体的な自治能力の発揮と責任を果たすことが不可能になるのである。
つまり”地方自治権”の返上と等しく、正に自治体とは程遠い国の出先出張所のような存在となってしまう。
鉛筆1本買うのにも、国にお伺いを立てる状況になるなどと言われる所以である。
(国債&借入金残高が800兆円を越えている”国”が、とやかく言うのである
・・・それはそれで大したもんである!?)
さて市町村が財政再建団体に陥った場合、具体的にどのように住民に影響が出るかと言えば、まずは歳入を増やすために、各種使用料、国民健康保険税、保育料、各種手数料などが値上げされる。
歳出の面では、自治体独自で実施している事業の廃止や各種団体へ交付する補助金の削減とともに、環境・福祉・教育などの事業の大幅見直し、将来に向けた都市基盤の整備や学校施設、道路など市民生活に欠くことのできない施設・設備の改修・整備についても計画的に実施できなくなるなど、行政サービスの著しい低下が予想されるのだ。
(とある場末の呑み屋は、ママはどんどん高齢化し、店は古くなる一方&サービスは最低なのに、会計をすると ”えっ!こんなに高かった?”
・・・なんて事を思い出してしまった。
とにかく良い事は何一つ無いと言う事だ!!)
夕張市は北海道の中間報告によると、約四十五億円の標準財政規模に対し、負債は約十四倍の六百三十二億円もある。
(そもそも夕張市に財政再建団体への申請を促した北海道も、財政再建団体一歩手前の綱渡りの財政運営が続いている。
・・・あんたにも言われたく無いなぁ〜!?)
再建には50年はかかるとも言われているが、仮にこの債務を50年で全額償還しようとすると、元本だけで毎年12.6億円必要となる。
今後、市民一人あたり年間約10万円の償還額となる。
これに金利が加わり、更に人口が減ると、当然市民一人あたりの計算上の償還額は、どんどん大きくなる。
そんな中、夕張市職員の夏のボーナスが増額されたり、議長交際費を使ってゴルフをしたり・・・
感覚が麻痺しているのか、はたまた”やけのやんぱち”なのか?
(所で”やんぱち”って何?、”さんぱち”っていうラーメン屋は知っているが・・・)
一体、どうしてこうなっちゃったんだろうか?
夕張市が借金地獄に陥った背景には、炭坑の閉山による産業の衰退や急激な過疎化の歯止め策として、観光を大きな基幹産業の機軸とした政策を打上げ、その体力を過剰に超える投資をしたが、思うような投資効果が得られなかった事が主因である。
ごまかし決算で赤字を表面化するのを隠し続けたいわゆる”粉飾決算”による問題の先送りが、更に債務の膨張を加速させてしまったのである。
テーマパーク「石炭の歴史村」に始まり、ホテル、温泉、そしてスキー場、・・・と巨額の投資をしてきたが、その殆どが赤字経営である。
2003年、民間のスキー場を買い取った頃には、文字通り”雪だるま式”に借金が増えてしまった。
もう既に、スキーブームは去っていたが、スキー場を買収するための市民の署名活動などもあり、行くところまで行ってしまった感である。
そもそも行政が運営して重荷になった施設を民間に払い下げる事例は山ほどあるが、民間で採算が合わなくなった施設を、行政が手を出してうまくいく訳がないと思うのだが・・・
大体、そんなに早く買い手が見つかるはずは無いので、慌てて買う必要はないし、他の業者が買ってくれればそれにこした事はないではないか。
誰も買い手がつかなければ、どんと価格が下がるのが不動産の世界である。
(人間様の場合は、少しばかり婚期を逃しても、安売りをしてはいけません)
ちなみに、スキー場を売ったのは、松下電器グループの旧松下興産である。
”旧”と付けたのは、何と経営悪化で、夕張市が買収した2年後の2005年に会社を解体されてしまったからである (・・・待ってれば良かったのに!?)
さて、そこまでしても人口はピーク時の11万7千人から、約1万3千人にまで落ち込んでいる。
この観光産業の恩恵を何一つ受けていなかった市民だって、今後ひたすら耐え続ける市民生活を受け入れざるをえないのである。
(北海道は、今後進める更なる市町村の合併推進構想の枠組みから、いち早く夕張市を除外してしまった。
監督するべき立場の北海道が、ここまで放置しておいて、こんな決定だけが迅速なのは、あんまりじゃあ〜りませんか!?)
こうなる前に、市長、行政、市議会は、幾度となく夕張市の方向性を選択する機会があったはずだが、ことごとく悪い方向を選択してしまったとしか考えられない。
選択を誤る以前に、何も選択しないで問題を先送りするのが最悪の選択であるが、そんな面も少なからずあったようである。
市民も選挙により市長・市議を選択しているので、共同責任と言われるかもしれないが、一般市民が粉飾決算まで見破れと言われても無理な面も少くない。
こんな夕張市に、子供達が夢を持って帰ってくるだろうか?
バブル時期に、自治体に積極的起債で大型事業をあおった国の責任はどうするのか?
モデル的観光開発都市として、持ち上げた責任は無いのだろうか?
夕張市の問題は「なんともお気の毒な話」で片付けられるものではないのである。
何しろ予備軍的な自治体は決して少なくない。
更にこの国自体、先送りした多額の借金と少子高齢化、人口減少・・・と、このままで行くと、正に夕張市がこの国の近未来の縮図のようにである。
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5月1日より士別市議会議員になってちょうど3ヶ月半が経った。
6月の初定例議会で初質問を終えて、少し落ち着いたら”議員だより”を作り、後援会の皆さんなどにお礼廻りでもしようと考えていた。
更には、”議員ブログ”でも始めてみようかとも思っていた!
(後援会のホムペもほったらかしのクセにって?)
たとえば、7月1ヶ月を終えてみて、手帳をあらためて見てみると、31日間で何も無かったのはたったの1日だった。
「現役経済人の一人として、まちづくり運動の推進役の一人として・・・」をキャッチ・フレーズの一つとして市議にさせていただいたが、市議としての仕事をさせて頂きながら、今まで通りのまちづくり運動や各種団体での活動、そして会社経営とこなして行くと全くと言うほど時間が無い事に、今更ながら気づくのであった。 (気づくの遅い!?)
そのわりには、会議・会合の後に飲み歩く時間はあるんだ!ってお叱りを受けそうですが・・・
(スミマセン、アルコールは数少ない私の趣味?ですから・・・)