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2005/03/07
『ゆとり教育』にゆとり無し。 (前)
 私は一昨年まで、小学校のPAT役員を連続8年間もさせていただいた。 (結果的にしてしまった? 何と子供より長く小学校に通う事に・・・)
 何がどうしたのか、会長をしてた時期もあった。
仕事だ!付き合いだ!と子育てをカミさんに任せっきりで、「何がPTA会長だ!」と当時カミさんに良く言われたものである。
   (まったく反論の余地もございません)

何しろ私がPTA会長の時に、きっちりとやり遂げた事と言えば、会議のあとの呑み会くらいかもしれない。 (それはそれで、ごく一部には好評だった?)

わが街のPTA連合会が毎年行っている研究会で、スピーチ当番があって、毎年持ち回りで市内小中学校から2校のPTAがその時のテーマに沿ってスピーチをしなければならない。普通はPTA会長がする訳で、たまたま私がPTA会長の時、当番が回ってきて自らするはめに・・・
何を話したかよく覚えていないが、確か”詰め込み教育を反省してもう少し個性を尊重して創造性を伸ばそう!”とか何とか適当に話した気がする。
   (私のスピーチはいつも適当です)

冒頭からマジめに話すのもどうかと思い、少し柔らかい話から始めた・・・

「昔は子育ても随分おおらかなもので、私が中学に入ると父親が”これで麻雀牌でも買って覚えろ”って5千円札を1枚くれたんで、早速質屋に買いに。
近所の同級生を集めて麻雀本を見ながら4人で麻雀を始めると、母親が”少し休んだら”ってビールを持ってきた・・・」
(これ全部ホントです!でもこんなにマジメに育ったじゃないですか!?)

で、この前フリ話だけが、教育ご熱心なお母さま方には相当なインパクトがあったようで、スピーチ後にお怒りの質問が怒濤のごとく・・・

ある質問は、
「井上さんは中学生の頃からビールを呑んでおられたようですが、個性を尊重すると言われましたけど、ガングロも肯定するんですか?」

おいおい、そんな事があったと言っただけで、その頃からビールを飲み続けていた訳もなく、教育の上での個性や創造性の話をしただけであって、そこにガングロまで出されても・・・
 PTAでは、呑み屋のオヤジ談義の延長の乗りでお話をしてはいけないと痛く反省をいたしました。
(ちなみに当時、ガングロねえちゃんは、まだ少しだけ生き残っておりました)

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私がPTA会長をしていた翌年(平成14年度)から、新学習指導要領が施行され、学校週5日制と共に、いわゆる”ゆとり教育”の完全実施が始まったのであります。ようやく丸3年を迎えようとしている今、早くも”ゆとり教育”の見直しが声高に叫ばれております。
(こんな私が”ゆとり教育”について語ると、またもやご批判が来そうですが・・・
  大丈夫!聞こえなかった事にしますから)

経済協力開発機構(OECD)の学力調査に続き、小・中学生を対象とした「国際数学・理科教育動向調査」で小・中学生の基礎学力低下が明らかになり、中山文科相は学力低下を認めた上で、”ゆとり教育”の見直しを打ち出したのである。
(例えば、中二理科が前回の四位から六位に低下したのである・・・
   でも、六位ってそんなに悪いのだろうか?)

三男坊の小学校の年間カレンダーで、休日をざぁ〜と拾ってみたら、何と160日を超える。
つまり約200日しか学校に行かないのである。
何だか家にゴロゴロしながらTVゲームをよくしていると感じたのは、気のせいでは無かったのである。
 いっそうの事”学校年200日制”にした方が分かりやすかったかもしれない。
(200日の中には、運動会・学芸会・入学式・卒業式・遠足etc.・・・もある訳だから先生も大変だぁ)

何と私が子供だった頃から比べると、小学校6年間だけでも授業時間数が1000時間も削減されているのである。 それでも、理科が六位とは、ある意味今の子供達の方が、頑張っているのかもしれない。   (っていうか、塾だ!家庭教師だ!通信講座だ!と頑張らされているのかも・・・)

ちなみに私が九九を習ったのは、三年生であったが、その後二年生で習うようになった。
(今になって思えば、二年生の時に習っておけば良かった・・・何て思ったケースは一度も無い!)

今の子供たちは、”ゆとり教育”の名の下で、大幅に時間数が減らされた上に、昔より前倒しで教えられ、そのうえ学習内容を約3割間引きされた。
 文部科学省は、これで学力が向上すると本気で思っていたのだろうか?
思っていたのなら、余程の楽天主義者か脳天気集団としか言いようがない。
(それはそれで、私といいお友達になれるかも)

公立に比べて週に20〜30時間授業数が多い私立中学に人気が集中するのも、ある面うなずける。




           UP

 義務教育の”ゆとり教育”推進が、皮肉にも親の経済力により、子供が受けられる教育の環境が左右される状況を拡大してしまった感がある。
わが街のような田舎では、私立中学など当然無い訳で、基本的にその様な選択肢は無いのである。 (あっても行かせない! いや、行けない。 いや、行かせられない?)

そもそも、教職員の”週休2日制”問題を、子供達の”学校週5日制”と言う名称にすり替える所など、旧文部省時代より胡散臭さを私は感じていた。
 子供達の立場においても”週休2日制”の名称で何故だめだったのであろうか?
 5日間一生懸命勉強したら、土・日は外で出来るだけ遊びなさい!でいいじゃない。
・・・などとは、難関大学を出て霞ヶ関のエリート役人になった方々には思いもしないのであろう。

 つまり、当初より文部科学省は授業時間と学習項目の大幅な削減により、学力の低下は織り込み済みで、学校での5日間の勉強では全然足りないので、残りの土・日2日間は家庭や塾で勉強して下さい・・・という意味を込めて”学校週5日制”という言葉でごまかしたのかもしれない。
    (そうに決まってますから〜  残念!)

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戦前・戦中・そして戦後の高度成長時代と、日本の教育は”読み・書き・ソロバン”に例えられる学校教育の基礎を徹底的に教えてきた。
(終戦直後のベビーブームであるいわゆる”団塊の世代”の方々の時代は、1教室50〜60人の、詰め込み教室で詰め込み教育を受けたのである!
   ・・・エライ!って言う内にもうすぐ定年だぁ〜)

画一的で金太郎飴型教育とも言えるが、平均学力の向上と共に、世界が驚いた日本の高度成長の基礎となったのである。

そうそう、話は脱線するが、画一的と言えば、学生服が象徴的であるが、私はもう役目は終わったものと考えるのである。 
(制服フェチのお方は、反論されるだろうが・・・)

もともと男子の詰襟学生服は陸軍の制服が由来で、セーラー服は海軍の制服からきている。
根底に、軍隊的な画一主義が強く匂うのである。
 今ではブレザーなどが主流になりつつあるが、安価なカジュアル衣料が出回っている現在、けっして安くない制服が絶対に必要なのであろうか?
(私立ならまだしも、公立の中学でも制服義務が当たり前のようになっているのは疑問である)

 ウチの長男も次男も私服の高校に行ったが、限られたもので着こなす知恵やセンスも生まれ、皆シンプルなカジュアル着に落ち着いている。
(大体、新陳代謝の激しい時期に同じ制服を毎日着る事って、清潔面でもどうなんだろう?
   ・・・それもいい!って声も聞こえそうだが)

話は戻って、”欧米に追いつけ追い越せ”がほぼ実現され、日本が今後も先頭集団を走り続けるには独創力が必要になってきた。
画一的教育から創造的教育に切り替えなければならなくなった訳である。
 その答えが”ゆとり教育”であり、その目玉が「自ら学び、自ら考える力を育成する」ための総合的学習の時間の創設だった。

小・中学校で計9年間の義務教育を総合的に考えたはずの”ゆとり教育”は、じっくりと”ゆとり”を持ってその成果を見守る暇もなく、わずか3年で大幅な見直しが決定してしまった。

猫の目教育行政に子供達はもちろん、先生方も翻弄されるのである。
(見直しに数年、更に実施まで数年かかる訳で、今の小学生やここ数年の間に就学する子供達は、どうするつもりなのであろう?・・・ウチの三男坊が中学を卒業するまでは何も変わらないに違いない!)

で、後編に続く・・・

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この春から、愛知県の大学3年に編入する長男が、もう既に「大学院まで行く!」と言っている。
 (そんなに勉強しなくたっていいじゃない・・・)
あと4年も仕送りをしなければならない。次男とのダブル仕送りが続く・・・
 (ウチにはそんな”ゆとり”は無いんだけど)

その長男と一緒に、私も4月初めに諸準備・諸手続きを兼ねて、2泊3日で一緒に愛知県へ。
(別に私がわざわざ行かなくてもよいのだが、1回位行って来るかと。   ・・・ちなみに愛・地球博には行きません!並ぶのキライだし。)

夕方の便で名古屋入り。
大のドラゴンズファンである長男は、何とその日の名古屋ドーム開幕戦のチケットをゲット!
野球ファンでは無い私も当然付き合う事に・・・

その少し後の豊橋球場でのドラゴンズ戦のチケットも早々とネットでゲット!
よくよく聞いてみると、その日は大学の授業開始日ではないか!

        一体、何しに行くんだ!


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