エコロジーふとん専門ネットショップ グッスリー
2002/10/06
エコロジーも考える? 『自動車編』
 私の営業用の愛車ハイエースは購入10年目に突入、実に走行距離26万kmを超えた。地球を6周半した計算だ。日本の車は故障知らずと言われるが文字通りバッテリーとタイミングベルトを換えた位ですこぶる元気よく走る。月までの距離が38万kmなのであと12万kmである。このペースで行けば4、5年後には月まで到着だ。つまり私も1969年のアポロ11号のアームストロング船長に遅れること約38年後、ハイエースで月面への到着となるである。
公園の砂場で月面歩行しているかもしれないのでその時はよろしく。

 こんなに長く車を使い切るのは極力産業廃棄物を出さないという点においては実にエコロジーだと思うがクルマ屋さんにとっては何とも商売にならない客だ・・・
 
 さて、どちらにしても現在の自動車は石油資源を浪費し温暖化ガスと有害物質をバラまくとても環境にとって宜しくない道具である事は皆さんご存知の通り。
また、何となく金食い虫の自動車。今回はいかに車を持つ事により無駄な費用を払わされているかについて検証してみる事とした。


 宮坂さんは37歳の典型的サラリーマン。2歳年下の奥方と小1の透君と4歳の奈々恵ちゃんの2人の子供がいる4人家族だ。
県庁所在地に住む宮坂さん。通勤は公共交通を利用するためマイカーは我慢していた。

 ある日、仕事先の街角ですうっと吸い込まれるように入ってしまった自動車ディーラーのショールーム。「こんな車いいよなぁ〜」。新型の7人乗りRV車だ。中は広々、多機能シートに電動スライドドアだ。ハイパワー2000ccツインカムエンジンの4WDで車両本体価格は結構大衆向きの220万円。
すっかり見惚れている宮坂さんをセールスマンが見逃すはずは無かった。「どうです。イイでしょう。ついこの前出たばかりの新型ですヨ」・・・

結局20万円の特別値引きを引き出していざ帰宅。
「これからマイホーム資金もためなきゃならないのに何言ってのよ!」と奥方からは先制パンチ。
しかしオートキャンプ雑誌を見せて早速透君と奈々恵ちゃんを見方につけた宮坂父さんは、「病弱ぎみな君の実家のお母さんに小まめに伺いに行けるじゃないの〜」と最後の一言で奥方も渋々同意。 宮坂家晴れてのマイカー購入となるのでありました。

 さて、細かな計算に疎い宮坂さん。値引き後200万円になった自動車をいざ契約に行ってびっくり。
思い切って付けたカーナビなどのオプション品が 15万円、消費税・諸費用・自賠責が約19万円、自動車取得税・自動車税・自動車重量税が約16万円で総支払い額は何と250万円だ。
 それでも掛かるものは仕方が無い。ど〜んと判を押し待ちわびること1ヶ月、待望の納車である。
当然、最初の土日はドライブ三昧となったのであります・・・

 と、良くある風景であるがこの宮坂家、この後どのぐらいこの車にお金が掛かるか試算してみた。
何と今回はこのコラム初めての表入りだ。宮坂さんはこの車を大事に10年間使用したとしよう。
(宮坂さんは年間1万km走行の典型的休日ドライバー、ガソリンは小売単価100円/g、燃費は平均10km/g、車体は小型車枠で車重1.5tとした) 
左下の表が10年間に払う最初の車両代からオイル交換から消耗品までの税金を抜いた総合計である。
実に360万円強である。さらに10年間に払うあらゆる税金の合計が右下の表で何と140万円である。所得税を払った残りの所得でやり繰りする自動車の所有者は、200万円ほどの大衆車でも10年間で実に140万円の税金をあらゆる形でむしり取られる。

しかも100円のガソリンの内53.8円は揮発油税・地方道路税なのに買うと全部に5%の消費税が掛かり105円となる。そう、日本は先進国でも例を見ない二重課税国家だ。確定申告で10万円納税に行ったら5千円の消費税が付くようなものだ。日本人よ!もっと怒れ!
自動車関係の税収は国と地方で実に年間約6兆円!しかも大半が道路特定財源で一般財源が火の車なのに不要な?道路が今日も作られて行く・・・
 
 さて、結果的に車を買ってしまった宮坂家は今後10年間で車に関する総支払額はざっと500万円を超え、平均すると1年あたりの支出増は約50万円という事になる。
たぶん、この数値を自動車ディーラーで最初に見せられたら宮坂さんは車を買わなかったんじゃないだろうか?

 そしてその後の宮坂家でありますが、念願のマイホームを購入。予算の関係でかなりの郊外。バスの便数の少ないその分譲地では残業の多い宮坂父さんには不便。結局マイカー通勤と相成りました。
また支出が一気に増えた宮坂家では奥方がスーパーの惣菜売り場でのパートに勤める事になったのであります。

その結果、少し離れた保育園への奈々恵ちゃんの送迎に不便と奥方専用の軽自動車を購入する事にもなりました・・・・・
 日本人が誰もが望むマイカー・マイホームを手に入れた宮坂夫妻は可愛い2人の子育てと30年の住宅ローンと2台の車の維持にとエコロジー所では無くなるのであります.....でもこれってすっごく典型的日本人のような気がするのある。

 所で先ほどの年間50万円の維持費を走行距離1万kmで割ると、1kmあたり50円と言うことになる。つまり10km離れたショッピングセンターに行くと往復20km、ガソリン代は200円位と思うのが大間違いで実は1000円掛かっている事になる。「牛乳が安い!卵が安い!」なんて走り廻っているアナタ。少しぐらい買いに行ってもまったく元が取れないのです。

 わが街から札幌まで往復約400km、この車で行くと2万円掛かっている事になる。高速料金を加えると約2万7千円。公共交通ではJRで往復7千円強、都市間高速バスだと何と往復5千円程だ。
いかに公共交通が安くエコロジーかが分かる。
しかも運転はしなくていいしビールを呑みながらでも着いてしまう。

旧国鉄時代の日本食堂の車内販売から比べると今のJR特急のワゴンサービスは何ともオシャレな若いおねえちゃんばかりだ。ついついビールを買わなければ失礼と売上げに協力させていただいている一人であります。

A.自動車取得税 購入時のみ(購入価格の5%)
          100,000円
B.自動車税 毎年39,500円×10年
         395,000円
C.自動車重量税 毎年18,900円×10年
         189,000円
D.揮発油税 48.6円×1000g×10年
         486,000円
E.地方道路税 5.2円×1000g×10年
         52,000円
F.消費税(燃料) 100円×1000g×5%×10年
        50,000円 
G.印紙税(車検時) 1100円×4回
       4,400円
H.消費税(左記※印購入品に対して) 129,900円
合   計 1,406,300円
@車両本体価格
(値引後価格)
2,000,000
A購入時オプション 150,000円
B購入時諸費用
(登録手数代行費)
38,000円
C購入時法定費用
(各種登録手数料)
6,000円
D車検時整備量・
代行料
3・5・7・9年目
平均40,000円×4回
160,000円
E自賠責保険 初年度37,650円
3・5・7・9年目27,600円
148,050円
F自動車保険(任意) 平均40,000円×10年
400,000円
Gガソリン代
(除く税金)
46.2円×1000g×10年
462,000円
Hオイル交換
(5000km毎)
平均5000円×20回
100,000円
I消耗品10年分(タイヤ・各種部品交換) 150,000円
合   計 3,614,050円
総支払額 5,020,350円
この試算には、ローンで買った場合の金利・手数料、ロードサービス等の会費、有料道路通行料、各種駐車場料金などは一切除き、故障・事故が無い前提となっています。
また任意保険は最大級の継続割引で計算してあり、車両保険は計算していません。
  ※もっと高級な車を買ったり、もっと短いサイクルで車を替えると総支払額は簡単に2倍3倍になります。

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10年間の購入品・維持費用(除く税金)
10年間の諸税