エコロジーふとん専門ネットショップ グッスリー
2010/11/21
寿命について考えるA
 この国では、泥酔者の運転する車が、パトカーに故意に体当たりをしても、運転手が中国人なら無罪放免されるかもしれない。
 中国当局が難癖を付け、粛々と国内法の適用除外を地検が決めても、日本政府は「その判断を了とする」のである。
 地検に政治的判断を認め、三権分立は絵に描いた餅となったようだ。
(私ごときが、弁護士でもある仙石氏に今さら三権分立を説く必要もないが・・・
と言うより会う機会も無いが・・・)

 国会にて「見せる見せない」で揉めた尖閣諸島沖での中国漁船衝突ビデオを、政府は「ちょっとだけよ〜ん」と11月1日に衆参予算委員会の関係国会議員ら約30人に6分程の超ダイジェスト版で限定視聴が行われた。
(2時間あるビデオのわずか6分間である。正に映画の予告編で全編を理解せよとの如くでもある)

 「全部みんなに見せろ〜」と野党が騒いでいる内に、何とビデオの一部が流出した。 (決して花街の特殊劇場の話ではないのである。)

 「ビデオ流出」と聞くと、大概は風紀上好ましからざるものを想像されるお方も少なくないと思われるが、これが日本の主権に関わるものであるから、話は穏やかではない。

 APECを目前にして警視庁からテロ対策情報の流出事件があった直後であり、日本政府の情報管理機能が崩壊しているようでもある。
 海上保安庁の内部から流出した線が濃いと推測されたが、結果的にそうだった。
 
 流出したビデオは、政府が一部国会議員に見せた物の7倍以上の全43分であった。政府は国権の最高機関である国会の一部議員に本当にちょっとだけ見せて幕引きにしようとしていたのである。
(これが、一昔前の特殊劇場の話であれば、劇場マネージャーはボコボコにされているに違いない)

 国家公務員の守秘義務違反の容疑で任意の聴取を受けていた海上保安官であるが、逮捕が見送られ、現在、任意の捜査中である。

 仙石氏は「日本国民のほとんどが情報を流出した海上保安官を処分してほしいと思ってると信じてる」と言われた。
(sengoku38という名前で投稿され怒り心頭に発したのか?)


           UP

 また仙石氏らは、逮捕見送り時に「厳罰を処するべきである」とも言っている。
 多くの日本人は、違法かもしれないが流失させた事により事実上「国民の知る権利」を回復させた海上保安官に拍手喝さいをしている現況とはあまりにも異なる感想とも言える。
(おおよそ国家の中枢に身を置くと、庶民の感覚が無くなるのであろうか・・・
 私のように日本の北端近くから十分過ぎる程の距離感を置いて見ているのも悪くないかもしれない・・・
 お蔭でセレブリティーとは縁も所縁もない日々を送らせて頂いている)

 そもそも、船長を解放して刑事事件を事実上無かった事とし、今さら証拠品にもならないビデオをここまで国民に秘匿する意味が理解出来ず、ただただ中国に気を使う腑抜け外交の象徴としか見えなかったこの事件。
 現に、万人が見ても漁船の100%故意が明らかなこのビデオがユーチューブで世界中に配信されると、中国当局は「日本の非」を声高に言わなくなったのである。
(中国政府は、天安門事件のように、中国内のネット上から、このビデオ映像を消しまくる作業を今後ずぅ〜っと続けるのである)

 この程度のビデオを国家機密にしておきながら、海上保安庁の呆れるほどのずさんな情報管理や、その組織管理・監督者の責任論や、その上部組織の国土交通省や大臣の責任論に触れる事もなく、仙石氏が言うように、一海上保安官のみを厳罰に処して済む問題なのだろうか。

 海上保安庁が、自らきっちりとした内部捜査をして、国家公務員法に違反する職員に対して、毅然として懲戒処分をする方法もあるはずだが、殆ど何もせずさっさと「刑事告発」という手法を取ったのも理解しづらい。
 海上警察機関であり犯罪捜査機関でもある海上保安庁が、刑事告発によって、その捜査を警視庁と東京地検に丸投げをしたとも取れるのである。
(告発を受けた警視庁関係者などは、「てめえ達でちゃんとやれ!」と言ったに違いない!?のである)

 しかしである、東京地検がこの海上保安官を仮に不起訴にしても政府はこう言うしかないのである・・・
  「東京地検の判断を了とする」

 これらの動きによっては、菅内閣の寿命に、更なる影響がありそうである。


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