エコロジーふとん専門ネットショップ グッスリー
2007/01/01
どうする!日本の食料自給率
 昨年は、このコラム、たった8話で終わってしまった。
こんなペースじゃ、ほぼ月刊が”ほぼ季刊”になりそうである。
 前話はちょっと長すぎたので、2分割にして、今回も長くなったので2話構成にして昨日アップしておけば昨年は全11話となりほぼ月刊の名に恥じない形になっていた。
 何とも勿体無いことをしてしまった?
     (今からでも間に合う!?)
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 今日は元旦だが、言い換えれば暴飲・暴食の年末・年始の折り返し地点でもある。
 箱根駅伝は明日2日朝にスタートし、折り返し地点である箱根に往路ゴールインをすると、翌日3日には大手町の読売新聞東京本社前に帰ってくるが、この暴飲・暴食レースは類まれなロング・レースであり、前年12月初旬から始る忘年会シーズンをようやく乗り越え、今まさに折り返し地点を向かえ、いよいよ長い新年会シーズンへと突入するのである。
 体力と気力で戦う箱根駅伝のランナーのように、肝臓と胃腸の長期持久戦の後半が始まる訳である。
(箱根駅伝と言えば”箱根小涌園前”の中継が有名である。ただそれだけで昨年2月に小涌園に泊った事がある。
私が旅行幹事で、独断で決めさせていただいた。まぁ富士屋ホテルに泊る予算が無かっただけとも言えるが・・・)

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 さて、その忘年会・新年会シーズンで思うのが、沢山食べ残される料理の山である。
 特にホテルの宴会コース料理は食べ残されずに全ての料理が無くなる事など殆どない。
 お偉いお方が座るメインテーブルなど、ご年配者が多い事もあってか、全くというほど手が付けられない料理も多い。
 酒飲みの多いテーブルもしかりだ。
料理はつまみ程度しか食べないからだ。
(たくさん食べたい人は、年配者の多いテーブルかのんべぇの多いテーブルを見つけるに限る)

 ブッフェ形式もそうである。
(このごろなぜかビュッフェと言わない所が多い。より英語の発音に近づけたのかもしれないが、”ブッフェ”と聞いて、”ブッ〜屁”と想像した人は少なく無い?に違いない)

ブッフェは和製英語で言うバイキング形式である。
(なぜ日本では”バイキング”になったかというと、帝国ホテルのレストラン名が由来であるが、詳しくは長くなるので割愛)

この形式のパーティーでは、料理コーナーに多くの料理が残されてしまう。
 ホテル側にしてみれば、残る位じゃないと見栄えが悪いと思うのかもしれない。
(勿体無いなぁ〜と思うのであるが、そう言う私は、正に酒のつまみ程度しか食べないのであって・・・)

 一方、何度でも料理を取りに行けるのに、食べきれないくらい一度に持ってくる人もいる。で結局食べきれずに残す人。
 自分で持ってきて”これ好きじゃない!”って残す人もいる。
(別にあんたに好かれるつもりは更々無いし・・・っていう料理の独り言が聞こえてきそうである)

世界では、毎日1万5千人以上の子供達が飢えと栄養失調で命を落としている。
 本当にこんな世の中がいつまでも続くのだろうか?

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 日本の食料自給率はカロリーベースで約40%と言われている。
 しかも穀物の自給率は、飼料用も含め重量ベースでたったの27%である。
 小麦は14%、大豆に到ってはたったの3%である。唯一米だけが95%である。
 本来、米だけは、100%自給出来るのだが、93年ガット・ウルグァイ・ラウンド農業合意に基づき米の部分輸入開放が始まったためである。
 これを分かりやすく言うと”米のミニマム・アクセスの導入”と言い、輸入された米はミニマム・アクセス米、略してMA米ともいう。  (ぜんぜん分かりやすくない?)

さて、そのMA米は通常殆ど目にしないのは、一部が国際援助米に廻されるほかは、焼酎や味噌、せんべいなど米菓、和菓子に使われるなど伝統的な日本の食品に化けているためである。
(さすがに歴史ある作り酒屋の米焼酎は旨い!なんて呑んでると、原料は輸入米かもしれない)

 朝食の納豆、それにかける醤油、味噌汁の味噌・豆腐など主原料となる大豆の97%は輸入なのである。
 日本食と言われる多くの食品は、仮に輸入が全面ストップとなれば、食卓から消える可能性が大である。
 ちなみに我家の朝食はパン食だ。パンは小麦で、マーガリンは大豆油やコーン油などが主原料、一杯のコーヒーも含めて、国産原料は皆無に近い。
 目玉焼きの卵だけはほぼ国産である。
(と言ってもその餌となる配合飼料は殆どが輸入品である)

 つまり、国産品で朝食をとろうとすると、自給率の高い野菜とごはん位という事になる。
 焼き魚ぐらい一品と思っても、今や半分程は輸入魚のため、半品となる。
野菜を漬物にしようとすると、その塩の自給率は15%にすぎないので超減塩漬物となる。こんな朝食に直ぐにでも切り替えた方が良さそうな方も結構いるが。


           UP

 朝食はこれで良いとしても、問題は昼食・夕食である。同じように国産品で食事をしようとするともう殆どネタ切れである。
(夕食のビールなど言語道断である!
  ・・・私は実はそれが一番困る!)
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おりしも、日本とオーストラリアが自由貿易協定(FTA)を柱とする経済連携協定(EPA)にむけた本格協議が開かれようとしている。(もうちょっとですから寝ないで下さい)

 早い話が、二国間で貿易する上での関税・規制・障害などを限りなく取り除こうと言う協議である。
 仮に、オーストラリアからの主要農産物4品(牛乳・乳製品・小麦・砂糖)の関税が撤廃されると、国内産の大半はオーストラリア産に席巻され、国内農業は壊滅的影響を受けると試算がされている。
 ちなみにオーストラリアの食料自給率はカロリーベースで実に265%である。
(とにかくオーストラリア人は肥満体が多い。265%もあるからとにかく良く食べる!?)

経済界は、オーストラリアにとって最大の貿易国である日本との関税が撤廃されると、7割にかかっている関税が撤廃され、資源エネルギーの確保においても効果が大きく、打撃を受ける農業に関しては、別途国内対策を考えるしかないという意見も少なくない。
オーストラリアの農地総面積は日本の89倍あり、農家1戸当たりの面積は1881倍もの開きがある。これを埋める対策が簡単に見つかるのだろうか?
 かつて外圧や大手資本の圧力で大型店の大幅規制緩和をした日本。その結果が全国でシャッター街と化した市街地商店街である。あまりにも体力の差がある勝負は、少しぐらいの支援策では救われないのである。
(私もそんな商店街(外?)に店を持つ一人でもあり。こんなコラムを書いてる場合ではないかも?)

 オーストラリアと関係する輸出入企業では、輸入する鉄鉱石・石炭・ウランなどの鉱物資源の関税が撤廃され、製造加工した工業製品が非課税でオーストラリアに輸出できるようになれば、そのメリットは確かに大きい。
 しかしそうなると、結果的にわが国の食料自給率は益々低下し、なによりも農業・農村の崩壊につながる事は明らかである。
 主要先進国の食糧自給率はカロリーベースでフランスが約130%、アメリカが約120%、ドイツが約95%、英国が約75%となっている中、なぜ40%の日本だけが更なる自給率の低下を受け入れなければならないのだろうか?
 ちなみに夕張ショックを始め、明るい話題が少ない北海道であるが、その自給率は約200%である。これだけ見ると米・仏を越えている!
(何て言ってられない。このFTAの成り行きによっては一番影響を受けるのが北海道である。だからこそ今年も日ハムに頑張ってもらわないといけないのである・・・ぜんぜん関係ない?)

 食料安全保障という言葉がある。
多くの食品を輸入に頼っている日本では、国内外の不測の事態により、いつ食料供給に混乱が生じるか分からない。
 国民に対して、食料の安定供給を確保することは、国の基本的責務である。
いざという時のために日頃から準備しておくのが食料安全保障の考え方である。
(平成11年7月に公布・施行された「食料・農業・農村基本法」にちゃあんと書かれている。・・・もしかして書いてあるだけ!?)

13億人と言われる中国は既に食料の超輸入国となり、益々その経済発展と共に巨大な胃袋と化してきている。
 例えば、最近までマグロなど食べなかった中国人だが、今やグルメブームで日本人より高値で世界中のマグロを買い付けている。これがマグロの値上がりの要因の一つである。
(わたしはしめ鯖の方が好きであるが・・・
  って最近のしめ鯖は殆どノルウェー産ではないか!)

インドなどの更なる経済発展も予想され、もしアメリカやオーストラリアなどの大穀倉地帯が同時大干ばつでも起きたら、日本は一体どうするつもりなのだろうか?

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 さて、そこで直ぐにでも自給率を上げられる方法を私なりに考えた。

@食べ残さない
 無駄を減らすと結果的に輸入量が減る。

A沢山食べない
 メタボリック症候郡の人が40歳以上で3人に1人もいる。この方たちが食べる量を減らせば、健康に良い事はもちろん全食料の必要量が大きく減り、輸入量が減る。

B肉は極力控える。
 例えば1kgの牛肉を作るのに穀物が約10kgも必要となる。それなら穀物そのものを摂取した方が、体にも良い。

 以上、禅寺に修行に行くほうが早いかもしれない。

そしてこれが重要・・・
C酒は日本酒にする。
 日本酒はほぼ自給出来ている米が原料である。米焼酎も良しとしよう。国産ワインも結構美味しいものがある。

(さんざん結構難しい事言った割には、そんなオチ?・・・まぁ正月ですから)



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