エコロジーふとん専門ネットショップ グッスリー
2005/04/29
『騙しちゃや〜よ』 三話
 騙すより騙される方がマシとか良く言われる。
そんな悠長な事を言っていたら騙されっぱなしになる世の中である。
最近は更に騙しのテクニックが巧妙化し、ぼ〜っとしていたらいつ騙されるか分からないのである。
  (私は騙されない!って奴ほど危ないぞ〜)

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その一 催眠商法編

結構古くからあるインチキ商売に”催眠商法”というのがある。

チラシなどで、会場に呼び込んだ後、景品を無料で配ったり、巧みな話術で雰囲気を盛り上げ、会場にいる人を興奮させて、冷静な判断を失わせてから、高価な商品を買わせるのが、催眠商法である。
契約に応じないと、数人で囲まれて脅かされた例も少なくない。
 被害者は高齢者が多く、主な商品は健康布団や健康機器などである。(通常の5倍〜10倍の価格で買わされる)

そもそも景品をタダでくれる行為自体に何か裏があると賢明な考えをもつ人が多い都市部では、催眠商法はかなり廃れてきているが、元来おおらかであまり人を疑わない北海道人、とりわけわが街のような田舎では今でも次々と催眠商法業者がやってくる。

先日、ある奥さんがダンボールに入った一目であやしいと思われる健康治療器?を抱えて来店された。(催眠商法業者から買ったと思われる)
  「騙されたかもしれないから見て欲しい」
と言われるかと思いきや、素晴らしい物を買ったと説明してくれた。もちろん現物を見たが5kg詰めのみかん箱くらいの発生器?らしきものからコードで繋がる電極の入ったビニールシート。このビニールシートをシーツの下に敷いて使うのである。

その奥さんがニコニコしながら、
「雅子さまも愛子さまも使っているんですよ!」
       完全に騙されている・・・。

「奥さん、雅子さまが仮に使っていても、宮内庁はそんな事発表しませんよ」等々冷静に説明したが、完全に洗脳されている。

私が見るに、マイナスイオン発生器のようである。
そうであれば、せいぜい3万円くらいである。

「所で、おいくらでご購入されたんですか?」って聞いてみると、
「60万円のところを50万円にしてくれた」 と喜んでいる。  (あたたたた・・・)

奥さんが言うには、いろんな病気に効くそうで、旦那さん用に買ったそうである。
クーリングオフ制度もあるので頭を冷やしてもらうためにも「旦那さんに相談をしてみたら?」と勧めると、怒られるから旦那には内緒で使わせると言う。
(こんな大きな治療器本体の箱を枕元に置いたら、すぐにバレバレだと思うのだが・・・)

「効果が確定出来ないのに高すぎるんじゃないですか?」ってついに言ってしまったら、
「わたしも数年前から使っているから、効果は良く分かっているの!」
    ・・・ヒィェ〜 何と、2台目でした。
ちなみに話を聞くと、その奥さんは現在5箇所の病院に通っているそうです。
      (一体何に効いてるの?)

そうそう、その奥さん何しに来店されたかと言うと、その電極の上に敷く薄めの敷ふとんと治療器本体を隠す袋を作って欲しいんだって・・・
(どんなに鈍感な旦那だって、ある日突然枕元に袋の掛かった四角い箱が現れ、新しくなった敷ふとんとその下に繋がる変なコードがあったら、気づかない訳ないじゃん!)

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その二 振り込め詐欺編

オレオレ詐欺などの振り込め詐欺の被害が依然続いている。

治療器奥さんが現れた翌日、市内のあるご年配夫婦宅に配達でお伺いした。
お茶でも一杯とおばあちゃんに言われて、少しお話相手に。

何とそのおばあちゃん、オレオレ詐欺に引っかかる一歩手前までいったそうである。

話を聞いてみると・・・
旭川にいる孫を装う人物から、車で対物事故を起こしたから70数万円を振り込めという電話があったらしい。
100%話を信用したおばあちゃんだったが、隣で聞いていたおじいちゃんが「そりゃおかしい!」という事に。
 何しろ、北海道旭川市在住の孫なのに、振込み先は横浜の銀行である。

で、一度切った電話だったが、メモした相手の携帯電話にご丁寧に再度電話をする事に。
 すると、今度は市内の指定先に現金を持って待ってろという訳わかんない話に。
(何だか身代金みたいで話が無茶苦茶である)

何と、そのおばあちゃんはタクシーで指定先に向かったのである。なじみのタクシーの運転手だったため、車中の会話で運転手が詐欺と気づき、犯人も現れず事なきを得たという次第である。

そのタクシー運転手は警察から感謝状を贈られ、おばあちゃんはTV各社に後姿等でニュースに映ったそうで、何とビデオに記念に録ってあるそうである。       (う〜ん・・・・・)

           UP

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その三 コンピュータ・ウイルス編

フィッシング詐欺やワンクリック詐欺など、ネットの世界でも新手の騙しテクニックが次々と生まれている。

何しろ、メールやサイトに隠れて日々新しいコンピュータ・ウィルスがバラまかれている。
ウィルスはパソコン自体が動かなくなるなどの目で見えるものだけではなく、パソコンに入っている個人情報やパスワードを盗んだり、クレジットカードを含めて不正使用される恐れすらある

パソコンにウィルス対策ソフトを入れないでインターネットに繋げたら、10分もするかしないかでコンピュータ・ウイルスに感染する時代である。
 事実私の知人が、愛用のパソコンをネットに繋げた僅か数分後にウィルスに感染して、ミニコミ誌の発刊が大きく遅れる原因となったのである。
(発刊の遅れた理由の作り話? いやいや本人がそう言っているんだから信じましょう!?)

 ネットショップオーナーの端くれである私は、ウィンドウズXPは、セキュリティ機能が強化されたSP2(サービスパック2)をインストールし、最新のウィルス対策ソフトで、がっちりとパソコンウィルスから防御している。
 ファイアウォール、セキュリティホール、スパイウェアー・・・さっぱり分からないがとにかく最強に設定してある。(おかげ様で、何でもないメールまで削除されてしまう場合もあります・・・ってやりすぎ?)

 4月23日の事である。午前中パソコンを使い、正午すぎ再びパソコンの電源を入れると、ウィンドウズは立ち上がるけど、すべてのソフトが全く開かないではないか。
 それどころか、電源も切れない。ウインドウズの終了オプションも動かず、パソコンの電源スイッチでも終了しない。
(どうやっても電源が入らない電気製品も困るが、電源が切れないのもそれはそれで困るのである)
 
そうこうしている内にパソコンのCPU(中央演算装置)がフル稼働しているらしく、CPUの冷却ファンがウンウンうなってどんどん回転が上がっていく。
(車のオーバーヒート直前みたいです。煙は出てこないけど  ・・・と見ている場合ではありません)

 そう、第9話で書いたウィルス感染を思い出した。
こんなに防備しているのにコンピュータ・ウィルスに感染してしまったのに間違いない!

パソコンにかまっいる時間が無いので、私のとった行動といえば・・・パソコンの電源プラグをコンセントから抜いた。(そんな事してハードディスクが壊れたらどうするんだ! 責任者出て来い!?)

何らかの情報をネットで調べるという手もあるが、何しろエクスプローラーなどのプラウザも立ち上がらない訳だから正にお手上げである。(後で分かったが、同じLANで繋がった息子のパソコンはちゃんと動いていたけど、そんな事に頭は回らず・・・)


 仕事が一段落して、早速知人である近所のパソコン屋のMさんの携帯に電話をしてみた。
着信名を確認して電話に出たMさんは開口一番
  「パソコン突然動かなくなったんでしょ?」
 えっ! Mさんはいつから透視予知能力に目覚めたのだろうか?
(Mさんと一緒に酒を呑む機会は少なからずあるが、ただの酔っ払いではなかったのである
    ・・・どこかの布団屋とは違う?)

「井上さん、ウィルスバスター使ってるでしょ・・・」
 何と!そこまで分かるとは・・・おそるべしMさん。

よくよく話を聞くと、その日の7時30分過ぎから90分ほどの間に、ウィルス対策ソフトの”ウィルスバスター”の最新ウィルス定義ファイルへの更新をした人で、ウィンドウズXPの最新のSP2版使用の人などが、定義ファイルの欠陥でパソコンが動かなくなる状態になるそうである。
(最新ウィルス定義ファイルへの更新といっても、パソコンの電源を入れると自動更新されるので、私は更新したなんて意識など微塵もないが・・・)

で、Mさんに電話で教えてもらった通りに簡単な処置をしてみたら、嘘のようにパソコンが復旧したのでありました。パチパチパチ!
(Mさんはその件で、その日電話がなりっぱなしだったそうである・・・それはそれでお気の毒に)

しかしである! ウィルスからパソコンを守るためのウィルス対策ソフトの欠陥でパソコンが使えなくなるなんて、本末転倒である!
私なんか、てっきりコンピュータ・ウィルスにやられたと思っていたのである。
 ウィルス対策ソフトにウィルスに感染したかのように騙されてどうする!
(皮肉にも、セキュリティに気を使っている人ほど、この状況に陥ったのでありました)

一体、日本中でこんな目にあった人がどれ程いたのか見当もつかないが、ウィルスバスターを作っているトレンドマイクロ社は一部賠償をすでに発表している。
新規販売への影響も含め、トレンド社へには計り知れない影響が出るに違いない。
 でも、敢えて言う!
  がんばれトレンドマイクロ社!

何故って? 
だって、先日パソコン2台分のウィルスバスター年間利用料を支払いしたばっかりだし・・・






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