エコロジーふとん専門ネットショップ グッスリー
2004/07/18
年金改革法を斬る? 「前編」
 最近、このコラムへのアクセスがますます増えてきている。ショップのページよりず〜っと多い。
   (本当にこれで良いのだろうか?)
ヤフー、グーグルなどの検索サイトからやってくる人も非常に多い。

このサイトが置かれているレンタルサーバのアクセス・ログというのを解析してみると、どんな所からこのサイトに来ているかとか、どんな検索キーワードでやってきたとか、どのページが何回見られたかなどが分かる。

そうすると、コラムのタイトルの一部が検索キーワードに良くひっかかって来るのが一目瞭然である。

たとえば、”日ハム”の検索キーワードでコラム第7話『日ハム改造計画』に大勢やって来ている。
 (今日現在、グーグルで”日ハム”を検索すると、68,300件中24番目にひっかかってくる)
まじめに、”日ハム”を知りたい方々が訪れたページがこのコラムでは、何とも申し訳ない限りである。

それにしても、今の”日ハム”は北海道移転効果+新庄効果などで、あのコラムを書いた頃の心配は吹っ飛んでしまった。
 それにしても新庄はいい! みんなあんな風に生きれば、年金問題なんてどこかに行きそうだ。
  (その前に年金なんて考えないかぁ?)
 
 話を戻して、第5話『考 少子高齢化社会』も常にアクセス数で上位組である。”少子高齢化社会”で検索すると、何と132,000件中17番目に出てくるのである。
  (いやはや、真面目にお勉強しようとやって来た皆様、衷心よりお詫び申し上げます)

”オーストラリア研修”で検索してみると、既に前回のコラムが23位になっている。
 ちなみに他の”オーストラリア研修”のサイトをいくつか覗いてみたが、全くのお笑い無しではないか。
        (それが普通?)
 
もうすぐ”年金改革”で、このコラムにやって来る人が増えるに違いない。
初めから言っておきます・・・・・ ゴメンナサイ!


さて、やっと本題に入るが、やっぱり今一番気になる人の多い”年金問題”に触れる事にした。

『100年安心!』と言う触れ込みで、年金改革法が6月5日に成立したが、参議院選が終わった今も、国民の大きな関心事の一つが年金問題である。

オヤジ連中の呑み屋談義でも、郡を抜いて語られるテーマはやはり年金問題である。
「もう年金なんて、払わねぇぞ〜」っていいながら、せっせと酒税と消費税とタバコ税を払うのである。

ところで、一定以上の酒税を払った人は、年金保険料を減額する!ってどうだろう? 私は減額対象者になるそれなりの自信があるのです。
    (そんな事に自信あって、どうする!)

そのような流れ?の中で、基礎年金を税方式にすると言う考え方がある。
この場合、保険料に当てられる税金はもちろん酒税ではなく消費税である。

さて、現在の年金制度の延長が良いのか、国民年金・厚生年金・共済年金の一元化が良いのかなどを、考える上に必要なのが、現状の年金加入者や受給者データ、予測値などの細かな情報である。

しかしながら、この情報は厚生労働省・社会保険庁がしっかり握っていて、全くと言うほど公開されていない。     (真面目に開示すると、破綻寸前の年金の現状がバレバレなので”黙ってようね状態”なのかもしれない)

ある意味それは徹底していて、年金法案を審議する国会のセンセイ方にも、都合の悪い統計値や試算データを後出しするほどである。
 都合の悪い数字をぜーんぶ隠して、銀行に「金貸して!」って言ってるのと同じようなものである。
 もちろん、銀行はびた一文貸してくれないが、年金は法律が通ると、全国民の生活に関わる訳だから、次元が違うのである。

ましてや私などが年金の試算など出きる訳もなく・・・それでも少しだけ簡単な計算をしてみた。
           (僅かな抵抗!)

たとえば国民年金の場合・・・
 今年小学校に入学した現在7歳のA君の場合で計算してみよう。
先の年金改革法の通り進むと国民年金の保険料は現在の月額13,300円が、13年後の2017年に16,900円に固定される。
 つまりA君は20歳から、16,900円×12ヶ月×40年間=総額811万円の保険料を払う事になる。
 この保険料を、どんなに低利で運用したって、40年もすれば、1000万円位にはなるに違い無い。

さて、A君が78歳(現在の日本人男性の平均寿命)まで生存したとして、受給期間が65歳から13年間となる。
 現在の年金支給額約66,000円で計算すると、66,000円×12ヶ月×13年=総支給額約1,000万円となる。
 これがもし月額50,000円に減らされると(かなり現実味がある)、50,000円×12ヶ月×13年=総支給額780万円となる。




           UP

 あらら、A君は平均寿命まで生きても元も返ってこない可能性大である。
 (こうなったら、誰に嫌われようが、う〜んと長生きするしか手は無いかもしれない)

ちなみに現在3分の1の国庫負担率を2分の1に引き上げるそうであるから、A君の保険料と同額の811万円が国庫から年金会計に補填され、運用益ゼロでも合計1,622万円の原資があるハズなのにこれである。
(私にぜひ一部運用をまかせていただきたい。もしかして運用損が出ても、一部は酒税で国庫に戻ってくるに違いない)

もちろん国民年金には障害年金がついているし、物価スライド制であり、インフレにも安心などのメリットもある訳で、単純には言えない点もあるにはあるが、それにしても差し引き620万円程はいったいどこに行くのであろうか?
(620万円あればベンツのEクラスに手が届きそうだし、スズキのスクーター「チョイノリ」なら100台買える計算だぁ!・・・買ってどうする?)

そう、日本の年金は世代間扶養の制度となっているからである。今、年金を払っている世代の保険料が、年金受給者の支払いに回すいわゆる”賦課方式”であるため、A君の保険料はどんどん増える高齢者の支払いに回され、いざA君が年金を受給する時には、更なる少子化により保険料収入が激減していて、元なんてまず貰えない、というのが今度の年金改正法である。

政府は、公的年金は税金が投入されている訳だから絶対お徳です!と説明している。がA君の世代にはどう説明するのであろう。
  (まぁ、選挙権無いからいいかぁ!?)
これは、計算しやすいA君の世代で試算しただけの話で、若い世代ほど損をする構造となっている。
(これから、若い人から割り勘を貰わないようにしよう!  私もまだまだ若い?ですよ!?)

急速に進む少子高齢化社会の中、賦課方式の構造上、若者ほど負担率が高く、将来の給付額は少なくてもいたしかた無いという世代間負担の構造は既に限界に来ている。
こんな事、政府は昨日今日分かった事では無いのに、さんざん先送りした結果のあの改革法である。
 
段階的に毎年保険料を上げていく足し算と、給付を下げるという引き算が主な内容で、”改革”法と言えるのだろうか?
(”改革なくして成長なし”って言うフレーズは聞き飽きたけど、”改革無くて成長無し”がホントだったりして・・・)

 そもそも、子供をあまり作らなかった世代が、年金世代に入り、その少ない子供や孫達の世代に面倒を見て!っていうのは、無理っぽい話である。

 こんな将来像の中、少子化に歯止めがかかる訳も無いハズだが・・・
 昨年の合計特殊出生率が昨年の1.32人が底で、今後少子化が改善され、出生率が1.39人まで上がる前程でこの法案が作られている。
 何とも脳天気と言うか、誤魔化しというか、何を根拠に出生率が上がると予測したのであろうか。
 株主総会で、倒産寸前の会社が、何も改善策をとっていないのに「今後、売上げは確実に上がります!」と言っているようなものである。
 (サギ商法で計画倒産させる悪徳業者に、この手口は多い・・・)

 やっぱりというかぁ、法案成立直後、「今年の出生率は更に下がって実は1.29人でした」
           ・・・だって。
政府を悪徳業者と比べるつもりは無いが、ちょっとひどいんじゃないの!?
     (良心的な布団屋は知ってます)

これでホントに100年安心なのだろうか?
っていうかぁ、国民は大不安であるが、保険料大幅アップ&支給額大幅ダウンで年金会計は100年安心という意味なのだろうか?

もう一つの大きな問題が未納・未加入問題である。
未納・未加入問題への政府の答弁は「長期的に見れば未納・未加入者は将来年金を貰えない訳でありまして・・・」 何ともノンビリした事を言っている。

今の制度は世代間扶養である賦課方式である以上、未納・未加入者が増える程、真面目に保険料を納めている人だけが、今の年金世代を支える事になり、更に保険料が上昇する可能性がある事をどう考えているのであろうか。

 その上、国会議員の未納・未加入問題で、国民の納入意識が低下する懸念もある。
現場第一線で真面目に働く社会保険庁職員は、益々保険料の徴収がしづらいと察するのである。
(人生いろいろ・会社もいろいろ・社員もいろいろ・年金もいろいろ、だから俺は払わねぇぞ〜 
      ・・・って声が聞こえてきそうだ)


ついこの前、20歳になった長男に国民年金の加入届けが来た。仕送りで生活している学生に年金払え!って事は、仕送ってる親が子供の分を更に払え!って言っているのと同じである。
 学生は、就職するまで支払いを後払いにする制度もあるが、しっかりと金利が上乗せられる。
 政府は障害年金の空白期間を無くすためと言っているが、今でも世界一の教育費のかかるこの国で、こんな事をしているようじゃ、出生率の上昇は当分見込めそうも無いのである。

         後編に続く・・・(いつ?)

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