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2003/12/31
高速道路を考える 3
 更新をサボっている間に、何と!2003年が今日で終わってしまうではないか。(あらら)
 そのサボっている間にも、高速道路の民営化問題は進展してしまった。

前話で書いたが、この秋、道央道(正確には北海道縦貫自動車道)が『和寒インター』から約16km北に延長され、我がまちに『士別・剣淵インター』が開通した。この16kmの区間に投入された総事業費が何と230億円である。


先日、私の行きつけの床屋の旦那との会話。

旦那「いやぁ〜、士別まで高速が伸びて、交通量が随分増えているよねぇ〜」

 私 「へぇ〜、ホント?」

旦那「暇だからねぇ〜、乗るたびに、和寒インターまでの間にすれ違う対向車を毎回数えているんだ」

 私 「で、何台くらい?」

旦那「10台を下回る事が無いんだよ〜」

 私 「・・・・・」

この旦那、マジに多いと関心している。何しろ和寒インターが北限だったころは、次のインターまで常に1ケタだったそうである。
私も、たまには高速を利用するが、このような科学的統計?をした事はない。(さすが、旦那!?)


さて、前回のコラムを書いた直後の11月28日、国土交通省が高速道路未供用の70区間を、建設優先度の判断材料として便益・採算・効果の3点でA−Dの4段階で評価した。

その中で、すべてDランク(最低)で、建設しても管理費も捻出できない路線として発表された4区間の一つに士別から更に24km北の名寄まで延びる予定である未供用区間が堂々と選ばれた!
つまり建設優先度が「サイテー!」としてお上のお墨付きがついた訳である。

 「あんたって、サイテーな男!」ってネェちゃんに言われる方は良くいるが(人ごとでは・・・)、お上に「サイテー」と言われる事はそんなには無い。

 まぁ、私にしてみれば、お上が難しい理論や統計を並べて評価作業なんてしてくれなくても、床屋の旦那との会話だけで十分察しがつく訳だが・・・

「無駄な高速道路は作らない!」という民営化推進委員会の答申のもと、これで『士別・剣淵−名寄』区間は半永久的に凍結!となったのである!?
   (マジ、この辺の人はみんな思った)

この国には随分前に総延長9342kmの高速道路を作る!という整備計画を作ったらしく、まだ出来ていない区間が約2000kmだそうだ。
その一つが『士別・剣淵−名寄』区間である。
「9342kmは国民に約束したものであるから、粛々と作る!」とおっしゃる大物政治家Kさんの話を良く聞くが、そのことを言っている訳である。
 (所で、私は約束された覚えは全くないが、アナタ!約束された記憶ある?)

それから1ヶ月弱過ぎた12月22日、政府・与党の道路公団民営化案が確定した。
何だか難しくて良く分かんないけど、結局の所、国の整備計画でかつて定めた9342kmの内の未整備区間約2000kmは作れる案らしい。


           UP

 その中でも『新直轄方式』という方法で、採算性の低い区間は、国と地方自治体の税金を投入して作るというものが盛り込まれた。

 と言ってもその日、担当大臣の石原国交相が
「9342kmキロの高速道整備計画区間についても聖域化しないで見直すということだ!」と強調!
 で、やっぱり『士別・剣淵−名寄』区間はしばらく凍結か・・・

 それからわずか3日後の12月25日である。
国土交通省は国土開発幹線自動車道建設会議(長すぎる!)を開き、 『新直轄方式』で建設する27区間をスピード決定したのでした。
 その中には「採算性が極めて悪く、抜本的に見直す!」とした、先のDランク4路線の内、3路線が建設される事に!
 更にその中には、な・なんと、『士別・剣淵−名寄』区間も作られる事となりました!

石原大臣の日本語が良く理解できないのは、私だけかなぁ〜?。 って言うかこの人ついこの前まで、行革担当大臣だったような気もするし・・・
    (あ〜、さっぱり分かんない!)

何はともあれ、これで床屋の旦那も対向車の数えがいが増えるというもんだ・・・・

で、この24km区間の建設費370億円は、赤字国債だらけの国と、破産寸前の地方自治体で持ってくれるそうです。

 良かったネ!
じゃあ無くて、こんなんでいいんだろうか?
採算性と膨大な債務の返済を第一にした民営化論議は、一体どこに行ってしまったんだろうか?
結局、民営化される道路公団の債務になってしまう不採算路線の建設コストが、国と地方の債務に代わるだけである。

あの道路族と言われる、国会議員のセンセイ方のほくそ笑む顔が直ぐに浮かんだのは私だけであろうか。

国民に約束した『年金』も『健康保険』も、その都度どんどん改悪していくくせに、高速道路だけは絶対作るのである。

だいたい、名神高速・東名高速から始まった日本の高速道路だが、当初「建設費が回収されたらタダにする!」と国民に約束していた。

が、そんな約束は不採算路線を作るための料金のプール制の導入と共に、あっけなく反故にしたセンセイ方の約束って何なんだろう?

誰だって、高速道路が無いよりあった方がいいに決まっている。でも孫・ひ孫の代まで債務を先送りして、現世代の利便性を優先する時代では無い!
     (ちょっと、カッコイイ?)

このまま行くと100年後には日本の人口は約半分になると予測されている。
今後も安定的に通行量が維持される保障がどこにあると思っているのだろうか?

といろいろ書いたが、今日は、大晦日。しかも今は午後6時!
高速道路をボヤいている場合ではない!
そう!新年に向けて酒を呑まなければならないではないか!

で、来年は高速道路は一切忘れて・・・
          何、書こう???



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